経済産業省は3月1日、AI人材の育成を支える企業などの取り組みを促進するため、実務上有用と思われる事項をまとめた「AI・データサイエンス人材育成に向けたデータ提供に関する実務ガイドブック」を公開した。
経済産業省は同ガイドブックの策定にあたり、「AI人材育成のための企業間データ提供促進検討会」を開催した。AI人材の育成に役立つ取り組みのうち、3以上の関係者間でのデータの授受をともなうものについて、教材の基礎となるデータの提供と受領、利用にともなう論点について整理・検討をした。同ガイドブックはこれらの内容をまとめたものである。
同ガイドブックでは企業が利益を上げ、リスクを下げる枠組みが整理されている。そのうえで、データ提供側とデータ受け取り側が実務面で直面する課題について、各枠組の契約雛形をもとに論点を整理・解説し、考え方を示している。
データ提供ガイドブックが想定している利用者と、それぞれの活用法は以下のとおり。
データ提供側(民間企業を想定)は、契約雛形において実務的な論点や考え方が整理されているため、リスクが明確になり、データ提供の後押しとなると考えているという。また、枠組ごとのメリットを理解することで、自社にとって適切なデータ提供の手法を検討することが可能になるとしている。
一方で、データ受け取り側(教材作成者、ハッカソン運営者、教育機関など)は、指標となる契約雛形があることで、データ提供企業との交渉を円滑に進められるとする。
なお、必ずしも人材育成に関する事業だけではなく、一般の事業者間におけるデータの提供においても参考となる内容としてまとめたとしている。
詳細はガイドブックを見てほしい。