Sansan株式会社は、名刺交換のデータなどを可視化したデータビジュアライゼーションをWebサイト上で公開した。同社のデータ統括組織「DSOC」が制作を手掛けている。
データビジュアライゼーションとは、図やグラフを使ってデータを分かりやすく表現する技法のこと。同社の名刺アプリ「Eight」の2020年5月から2021年5月までのデータをもとに、ニューノーマル下での1年間の名刺交換の傾向をビジュアル化した。Sansanは2019年に1作目を発表してから、今回の「FORMEINFORME(フォルメアンフォルメ)」で3作目となる。
>>FORMEINFORME オンラインの出会い/新技術の普及
過去2作品はこちら。
>>Dawn of Innovation 弱いつながり
>>The Essence of Serendipity 偶然の出会い
ビジュアライゼーションを公開しているウェブサイトでは、作品のストーリーとともに、名刺交換のデータを軸に可視化したビジュアルが紹介されている。COVID-19陽性者数と紙・オンライン名刺交換数の時系列データや、同じ属性を持つオンライン名刺と紙名刺の交換比率、各都道府県での名刺交換のデータをビジュアルで表現している。
愛知県は東京都(関東地方)、大阪府(近畿地方)の両方に光が伸びている
北海道でのオンライン名刺交換(青い光の線)はわずかに見られた。下の画像(紙名刺交換数)と比較すると、これから大きな伸びしろがあるエリアともいえるだろう
自分の出身県やなじみある地域を見てみると、なかなかおもしろい。
データから導く名刺交換のトレンド
リリースによると、今回の調査の結果から以下の傾向が読み取れたという。
オンライン名刺交換の利用者数は右肩上がりに増えているものの、名刺交換回数のトレンドには波がある
新型コロナウイルス感染症の陽性者数が増加した局面では、紙の名刺交換回数が緩やかに減少する一方、オンライン名刺交換は活発になっていた。これは、新型コロナウイルス感染症の拡大により新しい働き方が社会的に求められたことで、オンライン名刺という新サービスの普及が後押しされた結果と推察している。
オンラインの出会いの方が対面の出会いより、同じ属性を持つビジネスパーソン同士の出会いが生まれやすい
人と人との出会いの数は、同じ属性を持つ人同士の方が多いことが知られているが、オンライン名刺交換においても、同じ勤務地(都道府県/市区町村間)、役職、業界の人同士で名刺交換する割合が高いことが分かった。
オンライン名刺が最も利用されている業界はIT業界であり、コンサルティング業界、人材業界がそれに続く
オンライン名刺をはじめとする新しいデジタルツールを活用しているIT業界と、IT業界とのつながりが強いコンサルティング業界・人材業界で多く利用されている傾向が見られた。
本ビジュアライゼーションの制作・分析にあたっては、個人を匿名化し、Eightの利用規約で許諾を得ている範囲で名刺アプリ「Eight」のデータを使用しており、作品上で個人名や特定の会社名は表示されない。
FORMEINFORMEは今後もアップデートを予定しており、オンライン名刺の普及とビジネスの出会いの変化をビジュアライゼーションを通じて発信していくということだ。
データビジュアライゼーション「FORMEINFORME」概要
- ウェブサイト:https://datavisualization.sansan-dsoc.com/#/formeinforme
- 制作スタッフ
- プロジェクトリーダー/データ分析 西田貴紀(Sansan株式会社 DSOC)
- クリエイティブディレクター 山脇直人(Sansan株式会社 DSOC)
- バックエンドエンジニア 神林祐一(Sansan株式会社 DSOC)
- テクニカルディレクター 徳井直生(株式会社Qosmo)
- ビジュアライゼーション 堂園翔矢(株式会社Qosmo)
- デザイナー 伊勢尚生(株式会社Qosmo)
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