プロ野球に毎年選手を輩出、徳島インディゴソックスが挑む「データでチームを強くする」取り組み

6月23日、徳島インディゴソックス球団を運営する株式会社パブリック・ベースボールクラブは、ITベンダーのパクテラ・コンサルティング・ジャパン株式会社(以下パクテラ)とスポンサー契約を締結したと発表した。パクテラの音声・音響分析技術や画像分析技術とデータを活用し、チームのプレークオリティを保つ仕組みづくりや、チームビルディング手法の確立をねらう。

徳島インディゴソックス球団がデータ活用に取り組む背景

徳島インディゴソックスは、プロ野球独立リーグの四国アイランドリーグに所属する野球チーム。NPB(日本プロ野球、いわゆる「12球団」)に毎年選手を輩出している名門チームだが、悩みを抱えていた。それは選手や首脳陣の入れ替わりが活発なため、毎年のようにゼロからチーム作りを進めなければならない、というものだ。

「野球の先発ピッチャーにクオリティ・スタートという評価指標があるように、球団にも一定のクオリティ・スタートがあれば、球団内の共通言語を見える化し、誰もが理解出来るものになり、短い時間軸でのチーム作りに役立てられるのではないでしょうか。
徳島球団の大事にしていることを、入団してきてくれる選手や新しく着任してくださる首脳陣に伝え、アップデートしていくために、機械学習の技術が必要だと感じたのです」
(徳島インディゴソックス 南啓介社長)

声掛けやバックアップ時の行動から、選手のパフォーマンス向上方法を導き出す

現在、実証実験として選手の声がけの音声・音響分析や、機敏性の行動分析を始めている。

声掛けとパフォーマンスとの因果関係

選手の練習時や試合中の声掛けの質、音量、頻度などのデータを収集。データをもとにAIによる音声・音響分析や言語分析を行い、声かけと選手パフォーマンスの因果関係を分析し、野球技術外の側面からチームパフォーマンス向上をめざす。

選手交代やバックアップ時の行動を個々の選手にフィードバック

攻守交代時やバックアップ時の選手の行動データを収集し、AIによる行動分析を行う事で、選手のパフォーマンスを測定していく。理想のバックアップ時行動と比較し、個々のデータを選手にフィードバックすることで、選手のパフォーマンス向上に繋げるという。

アマチュア野球団体や少年野球、他スポーツへの応用も視野に入れる

パクテラは野球選手、監督、コーチの行動や知見、セイバー・メトリクス・データを収集/分析し続け、選手指導や育成における画期的手法の体系化を目指す。またデータを活用して生み出した新サービスを、選手やファンに提供し、徳島インディゴソックスのブランディング価値向上に寄与したいとしている。取り組みの結果、ゆくゆくは新スポンサーの獲得や有望な入団者の獲得に繋がり、最終的にはドラフト指名選手の増加に繋がると信じている、とのことだ。

プレスリリースではこうも述べられている。「段階的に他アマチュア野球団体や少年野球、さらには他スポーツへの応用も視野にいれ、この度で得たノウハウとIT技術を組み合わせ、情報格差、コーチ格差の無い、高いクオリティでの組織づくりをサポートし、地方創生とビジネス共存のカタチを体現する事を考えております。」

>>プレスリリース