中小企業はデータ分析の準備段階でも課題が多い

中小企業経営者・役員の8割がオープンデータを「自社の課題解決や新規企画に利用したことがない」――。8月18日、コネクトデータが「オープンデータの活用に関する調査」の調査結果を発表した。

オープンデータは、インターネットを通じて第三者が利用しやすい形で提供されているデータのこと。主に政府や地方公共団体などの行政機関が公表している。総務省では地方自治体にオープンデータ化を推進しており、66%の自治体がデータ公開に取り組んでいる(2021年7月14日現在)

以下はコネクトデータのリリースから、調査結果の一部を記す。図は同リリースより。

オープンデータを活用できていない企業の懸念は「コスト面」「データ活用人材の不足」

「政府や地方公共団体などが公表するオープンデータを、自社の課題解決や新規企画のために活用したことがありますか?<SA>」という設問では、「いいえ」が80.8%と、約8割がオープンデータを活用したことがないと回答した。

オープンデータが増えている一方で、まだ活用しきれていない企業が多いといえる。

また「オープンデータの活用をしたことがないが、今後活用したい」と思っている企業は約3割にのぼり、「活用するためにどのような準備をしていますか?<MA>」という設問では、そのうちの約半数が「コストがかけられないため現状は見通しが立っていない」と回答。次いで「データ利活用の知識・スキルを社員に身につけてもらう」という回答が約4割にのぼった。「データ利活用の専門家を雇う」は1割にとどまった。

「データ形式にばらつきがあって分析がしにくかった」「データ収集に時間がかかった」など、オープンデータ活用以前の問題が浮き彫りに

オープンデータを活用した経験がある人への「オープンデータをどのようなことに活用しましたか?<MA>」という問いには、約4割が「市場調査のため」と回答、次いで「新規事業検討のため」と「新製品、新サービスの開発のため」がそれぞれ約3割となった。

自社の製品やサービス、生産性向上のために活用したという回答も見受けられた。

また、「オープンデータを活用する際に困ったことはありますか?<MA>」という設問では、6割が「欲しいデータがなかなか見つからなかった」、「データ形式にばらつきがあって分析がしにくかった」「データ収集に時間がかかった」がそれぞれ3割を占めた。

オープンデータの活用を進めている企業でも、準備段階に時間や手間がかかり、効率的にデータ活用できていない企業が多いことがうかがえる。

オープンデータを活用するためのITシステムまたはサービスを導入している企業は約4割にとどまる

「オープンデータを活用するためのITシステムまたはサービスを導入していますか?<SA>」という設問では、オープンデータ活用のためITシステムやサービスを導入していない企業が約6割と多数派を占めた。

導入していない理由は「導入した際の費用対効果が期待できないから」が約6割で最も多く、次に「導入するコストが負担できないから」が約4割となった。コストを懸念している企業が多いようだ。

「オープンデータ活用に関する調査」概要

  • 調査方法:WEB回答
  • 調査地域:全国
  • 調査期間:2021年7月30日(金)~2021年8月02日(月)
  • 調査対象:従業員数300人以下の中小企業の経営者・役員 男女 計400人

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地方公共団体におけるオープンデータの取組状況オープンデータ | 政府CIOポータル より)