ソニーの予測分析ツール「Prediction One」がAPI機能を追加 自社アプリやツールへの予測AI組み込みが簡単に

ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社は、予測分析ツール「Prediction One(プレディクション ワン)」の新機能を9月15日から提供開始したと発表した。

「Prediction One」は、機械学習やプログラミングなどの専門知識がなくても数クリックの簡単な操作で予測分析が実現できるツールだ。自動的に評価データを構成したあと、複数の先端モデルを試して、最も精度の良いモデルを選び、そのモデルで予測精度と予測寄与度を算出してレポートを生成していく。

予測結果の理由が説明できる点なども好評を博し、2019年に提供を開始して以来、申込企業数は累計で21,000社を超えている。

今回新たに追加されたのは予測API機能「Prediction One API」だ。

同APIを介せば、「Prediction One」で作成した予測モデルを、数行のコードで外部アプリケーションから簡単に呼び出せる。作成した予測モデルを自社アプリケーションや自社業務システムに組み込むことで、AIの活用の幅を飛躍的に広げられるという。

たとえば、ECサイト上の過去の実績データから「Prediction One」で作成した予測機能をAPIで呼び出すと、会員と購買確率が高い商品の予測を自動化し最適な情報を迅速に会員に提供できる。ほかにも需要予測(販売予測)の自動化や、デジタルマーケティングでのペルソナ分類・スコアリングの自動化(MAの最適化)など、活用できるケースは多そうだ。

あわせて、作成したAPIの利用状況の確認機能、誤操作防止のための保護機能も利用可能になり、モデル運用の利便性が上がるとのことだ。

Prediction One APIが利用可能なのは、クラウド版のアドバンスプラン、エンタープライズプランの2プランだ。デスクトップ版、コマンドライン版にはAPI機能がないので注意されたい。

Da-nceの関連メディア「Ledge.ai」が過去に実施したインタビューで、開発者の高松氏は「(Prediction Oneを)将来的には、企業のインフラを超えて、ビジネスパーソンにとってのエクセルやパワーポイントの様な身近なツールにしていきたいと考えています」と述べている。

>>機械学習をエクセル、パワポ感覚に。ソニーの予測分析ツール「Prediction One」の勝ち筋と未来

Prediction Oneのような「専門家いらず」のツールが増え、より身近なものになるという流れの中、データの専門家はいかに価値を生み出していけるのか。引き続き注目していきたい。

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