3年以内にデータ活用の人材連携に注力 IPAが発表、305企業が回答

IPAは6月14日、企業305社の回答結果をもとに作成した「DX推進指標 自己診断結果 分析レポート(2020年版)」を公開した。

同レポートは2019年度から作成され、日本企業におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の現状や実態の把握を目的としている。DX推進のための仕組みやDX推進基盤となるITシステムの構築などの35項目(DX推進指標)を設け、各企業が自社の成熟度を0から5の6段階で評価する。

多くの企業が「データ活用の人材連携」「データセキュリティ」強化に意欲

「DX推進指標」のうち定性指標(35項目)は、各企業が現在地(現在値)と3年後の目標(目標値)を数値化して回答している。つまり目標値が高ければ、直近で企業が重点的に取り組みたい事項、とも読みとれる。

「データ活用の人材連携」の目標値は、35項目中3番目に高く、3.46だった。レベル3は、全社的に「どんなデータがどこにあるかを分かっている人」と「データを利用する人が連携できているか」達成できているレベルとされている。なお現在時点の平均値は、1.94と、レベル1(データの所在は認識できているが、人材の連携ができていない)ないしレベル2相当(一部で人材の連携ができている)の間の値となった。

なお目標値が最も高かったは「プライバシー、データセキュリティ」。多くの人がセキュリティの大切さを認識しつつある昨今、優先的に取り組んでいる(もしくは、取り組みたいと考えている)様子がうかがえた。

DX成熟度が高い企業は「投資・意思決定、予算配分」「経営トップのコミットメント」も高い

DX成熟度が高い、DX先行企業(現在値の平均が3以上。全305社中26社、8.5%)は、経営視点指標の平均が高く、非先行企業に差をつけていた。

他に差が大きかった項目は「危機感とビジョン実現の必要性の共有」、「人材の融合」、「戦略とロードマップ」。「マインドセット、企業文化」のサブクエスチョンでは、「KPI」、「評価」、「投資意思決定、予算配分」の順に先行企業と非先行企業の差が大きくなっており、KPIの設定、評価、予算配分において、挑戦を促したり、プロセスをスピーディーに実行・継続したりする仕組みが定着しているといえる。

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