今回は、オンラインで無料公開されている動画群「筑波大学 オープンコースウェアのデータサイエンス講義」を紹介したい。
>>データサイエンス講義 | 筑波大学オープンコースウェア|TSUKUBA OCW
オープンコースウェア「データサイエンス講義」のサイトには、各学問分野でのデータの収集、管理や活用方法を知るビデオ講義が一般公開されている。
筑波大学では、さまざまな学部の学生の情報教育に関する共通科目として、平成31年度10月から「データサイエンス」(データサイエンスリテラシープログラム)を開講しており、この動画は講義内で教材として視聴されているとのことだ。同大学の人文・生命・理工・情報・医学・体育・芸術など様々な分野の研究者たちが、各分野でのデータサイエンス実例を語っている。
導入「社会におけるデータサイエンスの位置付けとその意義」と位置づけられている動画はこちら。落合陽一氏をはじめ、システム情報系や医療系、人文社会や体育系と、分野は多岐にわたっている。非常に興味深いテーマが選ばれており、多くの発見があるだろう。
いずれも20分〜30分程度のビデオ講義だ。
- ヒューマンインタラクション【落合陽一】:AIによるファッションデザインなど、落合研究室での取り組みを紹介
- 臨床医学・社会医学とデータサイエンスーヘルスサービスリサーチの視点から 【田宮 菜奈子】:データサイエンスの視点から見た現代日本の医療、「元気でいられる老人ホームの特長」など、医療介護ビッグデータを活用した分析実例
- 現代サッカーボールの空力特性 【洪 性賛】:サッカーボールの特徴をデータサイエンスで解析、形状の違いによる軌道の違いなど
- 生命科学とデータサイエンス【尾崎 遼】:バイオインフォマティクスにデータサイエンスが欠かせない理由と活用実例を紹介。ヒトゲノム解析、新たな細胞の発見など
- デジタル・ヒューマニティーズ—人文学と情報学の接点が導く新たな知識の世界【和氣 愛仁】:古代エジプト神官のパピルス資料、明治時代日本語文典資料のデータベースプラットフォームなど、人文学でのデーサイエンス活用事例を紹介
- 人工知能における 倫理的,法的,社会的問題【福地 一斗】:データに潜むバイアス、公平性など、AIにかかる倫理的、社会的問題の理解
- データ駆動型社会における津波高即時予測【五十嵐 康彦】:地震・津波のシミュレーションによるデータ蓄積、高精度な津波高予測
- サッカーの上達にデータを生かす【中山 雅雄】:サッカーが上手い選手の特長を脳波・反応時間などのデータから分析
- データサイエンスと社会科学【内藤 久裕】:貧困国における教育年数の出生率への影響など、社会科学テーマをデータから分析する
- セシウム137全球データベースおよび環境放射能データの検索と公開サイト【青山 道夫】:海水中放射能データベースの構築、データ解析の心得
同大学の「データサイエンス」カリキュラムには含まれていないが、以下の動画も閲覧できる。
- 言語教育にデータはどのように活用されるのか【名畑目 真吾】
- 「芸術とデータサイエンス」ーみえないものをみるー【山田 博之】
- 「心」のデータ:行動デザインの視点から【松田 壮一郎】
- 植物標本データが伝える生物の進化と危機【田中 健太】
- 障害科学におけるデータに基づく意思決定【佐々木 銀河】
- 生物科学研究におけるデータサイエンス-発生生物学研究を例に-【堀江 健生】
- SNS活用の分析におけるデーターサイエンスの活用【海後 宗男】
また発展的内容として、IoTや機械学習、仮説検定のビデオ講義も用意されている。
筑波大学オープンコースウェアではデータサイエンスだけでなく、確率論やデータベース概論(リレーショナルデータベースなどデータベースシステム入門)、機械学習(概論〜各モデル、ニューラルネットワーク)のビデオ講義もある。
>>確率論 | 筑波大学オープンコースウェア|TSUKUBA OCW
>>データベース概論Ⅰ | 筑波大学オープンコースウェア|TSUKUBA OCW
>>機械学習 | 筑波大学オープンコースウェア|TSUKUBA OCW
筆者も最初は「記事執筆のために」と思ってデータサイエンス講義の動画を再生したら、ついいくつか見入ってしまった。少しでも気になるテーマがあれば、ぜひチェックしてみてほしい。